繰延資産とは

繰延資産とは、支出した費用でその支出の効果が将来にわたり現れるものを表します。

支出した費用を一度資産計上して、効果が及ぶ期間にわたって償却する事で費用化を行うのです。

※棚卸資産等資産や固定資産の取得に要した費用、前払費用に相当するものは対象から除きます。

繰延資産の種類

繰延資産には、大きく分けて以下の2種類があります。

  • 会計上の繰延資産

会計上の繰延資産は、企業会計基準に基づいて計上される繰延資産です。

会計上の繰延資産の種類は、以下のとおりです。

* 創立費
* 開業費
* 開発費
* 株式交付費
* 社債発行費
* 退職給付引当金
* 退職給付準備金
* 減価償却差額準備金
* 繰延税金資産
  • 税務上の繰延資産

税務上の繰延資産は、税法に基づいて計上される繰延資産です。

税務上の繰延資産の種類は、以下のとおりです。

* 減価償却差額準備金
* 繰延税金資産

繰延資産のメリット

繰延資産を計上することで、以下のメリットがあります。

  • 当期の損益を適正に把握できる

繰延資産を計上することで、当期に費用化されるべき費用を適正に把握することができます。

  • 財務状況をより正確に把握できる

繰延資産を計上することで、財務状況をより正確に把握することができるでしょう。

繰延資産のデメリット

繰延資産を計上することで、以下のデメリットがあります。

  • 会計処理が複雑になる

繰延資産を計上することで、会計処理が複雑になります。

  • 監査費用が増加する

繰延資産を計上することで、監査費用が増加する可能性があるでしょう。

繰延資産の償却

繰延資産は、効果が及ぶ期間にわたって償却する必要があります。

償却方法は、費用化すべき効果の性質に応じて、以下の方法が用いられます。

  • 定額法

毎期一定額を償却する方法です。

  • 定率法

毎期一定の割合を償却する方法です。

  • 生産高比例法

費用化すべき効果と生産高の比例関係に応じて償却する方法です。

繰延資産の税務上の取り扱い

繰延資産は、税務上も費用として認められる場合があります。

ただし、税務上の取り扱いは、会計上の取り扱いとは異なる場合もあります。

繰延資産の活用

繰延資産は、効果が将来にわたって現れる費用を適切に計上するために活用できるでしょう。

例えば、新規事業の立ち上げや、設備投資など、将来の収益につながる費用を繰延資産として計上することで、当期の損益を適正に把握することができます。

まとめ

繰延資産とは、支出した費用で、その支出の効果が将来にわたり現れるものを表します。

繰延資産を計上することで、当期の損益を適正に把握し、財務状況をより正確に把握することができます。

ただし、会計処理が複雑になるなどのデメリットもあるため、適切に活用することが重要です。